鉄の作品のお手入れについて

  
今日は蜜蝋仕上げの鉄の作品のお手入れ方法についてご紹介します。
錆が出たときの対応の仕方についてお問い合わせがあり、改めて柴崎智香さんにお訊ねしてみたところ、詳しくお答えいただき、私も曖昧に理解していたことがよく分かり勉強になりました。
お買い上げの際には小さな説明書きを添えておりますが、現在お使いの方にもそうでない方にも、ご一読いただければありがたいです。
  
  
【錆が出たときの基本のお手入れ方法】
1. 水で濡らし固く絞った布で錆の粉っぽい部分を拭きとる。
2. その部分に乾性油か蜜蝋ワックスを塗る。
  乾かないうちに布で錆をさらに拭き取る。
3. 最後に乾性油か蜜蝋ワックスをコーティングとして塗り
  乾いた布で軽く拭き取る。

この方法は、錆びを取るというよりはコーティングして目立たないようにする方法です。これを繰り返すことによって、古道具のような濃いこげ茶色のよい風合いになっていきます。
その後も錆びが出た場合は同じく1・2・3の作業をしていただきます。
日頃のメンテナンスとしては、 3.の作業でコーティングすることで錆びにくくなります。

お手入れ方法の中の「乾性油」とは、空気中で徐々に酸化して固まる油のこと。えごま・亜麻仁・クルミ油などが乾性油です。木のお皿やカトラリーのお手入れにもお使いいただけるものです。柴崎さんは身近なお店で手に入る料理用のえごま油を使っているとのことでした。

鉄の作品は、濡れないように気を付けて使っていても、どうしても錆が出てくることはありますが、それも鉄の特性として受け入れてお手入れを続けていただければ、次の代までも残せるものです。「少し手を掛けて育てていく」という感覚で楽しんでいただけたらと思います。
  
  

  
  
もう少し詳しくお話しますと、柴崎さんの作品で蜜蝋仕上げとなっているものは、最終的に鉄全体を焼いて表面に黒皮という酸化皮膜を作り、その上に蜜蝋を塗って仕上げています。薄い酸化皮膜ができることで、錆びにくくする効果があります。お店に納品される最初の状態の時のお色は、濃いブルーがかったグレーですが、徐々に黒に近くなります。

錆が気になって、金属タワシや紙やすり等でこすったり、サビ落とし剤などを使用すると、酸化皮膜が破れて鉄の素地が出てきてしまいます。鉄の素地は銀色(例えば鉄の包丁のような)なので、黒い鉄の部分との違いがはっきりしてしまい、また素地の状態だととても錆びやすくなってしまいます。お客様ご自身が鉄を焼く作業は、やけどの危険があり、また焼きすぎると歪んでしまったりと難しいためお勧めできません。
もし、錆をとろうとして酷い状態になってしまったというようなことがありましたら、仕上げ直しもできるということですので、その時はお店または柴崎さんまでご相談ください。
   
お買い上げいただいた作品を長くお傍に置いていただけますよう願っています。
   
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今日のお写真は、2012年の二人展「長月の火灯し頃」の展示からの懐かしい一枚。
鉄の蚊遣りの箱に飾ったcard-yaさんの蜜蝋の薔薇のガーランドがとてもロマンチックでした。
    
      

Category: 金属・アクセサリー・時計 | Tag: ,

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